理学療法士が2ヶ月やってみた!16時間断食の効果!痩せる?実際のところどうなの?全部まとめました!
最近、腸内環境についてのトッピクスが注目されています。
その中でも「空腹」こそ最強のクスリというこの本を筆頭に16時間断食が腸内環境だけでなく、ダイエットにも効果的であるとして流行っています。
しかし、効果がないという意見もある他、間違った認識を持って行っている方も多いため、私自身の2ヶ月の体験も含めて紹介したいと思います。
目次
16時間断食とは
まず、16時間断食とは何なのか。
これに関してはそのままです。食事と食事の間隔を16時間空けるというもの。
なので必然的に1日の食事回数は2回になってきます。
この断食の制限は、16時間食事間隔を空けるということだけなので、基本的に2回の食事量に制限はないですし、何を食べてもOKとされています。
しかし、ここに効果がでない落とし穴があります(後述します)。
流行った理由の一つは取り組みやすさです。
16時間何も食べないとなると、長いと感じる方もいらっしゃると思いますが、睡眠時間を入れるとそれほど高いハードルでもありません。
夕食の後、4時間後に就寝し8時間の睡眠、起床後4時間した後に昼食をとるというのが一つの例です。
なぜ16時間なのか
そもそも、1日3食の食事は江戸時代からであり、それまでの日本人の食生活は1日2食でした。
人間の体は食べ物を摂取してから消化するまでに5~6時間かかるとされ、1日3食の食事では消化した直後に新たな食べ物をまた摂取するという形になり、内臓を休める暇がありません。
これでは、内臓に疲労が溜まり消化吸収機能にも弊害が生じます。
このことから考えると現代人は明らかに食べ物を食べ過ぎています…
人間は食事摂取後、肝臓にグリコーゲンという形でエネルギーを蓄えています。
この肝グリコーゲンは7~10時間で枯渇するといわれ、6割り程度減る4~5時間となると脂肪をエネルギーとして使用し始めます。
3割以下になるとさらに脂肪燃焼が進み、筋肉も分解し始めます。
そして、16時間の空腹時間を設けることで、オートファジーという機能がが働き始めます。
このオートファジーを発動させるために16時間の空腹時間を設けるというのが、この断食の肝となります。
オートファジーとは
オートファジーとは、体内の古くなった細胞を集め、そこから新たにタンパク質を合成するという体の仕組みです。
飢餓状態でも活動していけるように、人間が本来から持っている機能の一つになります。
この機能は、体を内側から生まれ変わらせるため、アンチエイジング効果があります。
また、各細胞にはミトコンドリアという小器官が存在しており、ATP(生命活動で利用されるエネルギー)を生産していますが、このミトコンドリアの活動が活発である人ほど、若々しく元気でいられます。
しかし、古いミトコンドリアは活性酸素を発生させ、酸化による細胞へのダメージを蓄積してしまうというデメリットがあります。
オートファジーではこのミトコンドリアも新たに生成されるため、エネルギー生産が活発になるだけでなく、活性酸素のによるストレスも軽減することになり、これもまた、アンチエイジング効果に繋がります。
16時間断食の効果
ダイエット効果
16時間断食では、食事を1食抜くことで摂取カロリーを抑えられるだけでなく、脂肪をエネルギー源として利用するためダイエット効果があります。
また、内臓脂肪の減少に効果的であるという文献もあります。
生活習慣病予防
血管内に付着したコレステロールなどの脂質も分解されるため、動脈硬化を防ぎ血栓症など予防効果があります。
また、血液中の糖質も正常化され、糖尿病の予防など生活習慣病の予防効果もあります。
オートファジー
オートファジーによる細胞や器官、組織が活性化することでアンチエイジング効果だけでなく、免疫機能亢進やエネルギー効率が高まることから疲労感の軽減にも繋がります。
内臓機能の亢進
16時間食事間隔を空けることで内臓には十分な休息時間を設けることができ、消化不良を防ぎ、栄養の吸収率を高める効果があります。
また、腸の機能亢進は下痢や便秘を防ぐだけでなく免疫機能にも良い効果をもたらします。
実際にやってみた!
現在、16時間断食を始めて2ヶ月ほどが経ちました。
ここからは、私自身が16時間断食を実際に行って感じた効果などをお伝えしたいと思います。
なぜ16時間断食を行ったか
私が16時間断食を行った目的ですが、ダイエットではなく、内臓機能を高めるためです。
(ダイエットについてもまとめてますのでご安心を)
内臓も平滑筋という筋肉で構成されており、内臓疲労の蓄積は体幹機能や股関節機能を低下させる他、免疫や自立神経などのパフォーマンスを下げる大きな要因となるからです。
そして、私自身30代になってから内臓が披露していることを感じており、トレーナーとしてパフォーマンスは常に良い状態を保つためにこの断食を試してみることにしました
また、もともと胃腸機能が強くないというのもあり、お腹を下すということも理由の一つです。
実際に行った方法
私が行った方法は朝食を抜き、昼食を12時~13時に摂取。夕食を20~21時に摂取するというもの。
これで、夕食後から次の日の昼食まで16時間の間隔を設けていました。
また、昼食と夕食の間の間食はフリーで、毎日ではないですがスナック類やチョコレートなどを食べることもありました。
断食時間中の水分補給は基本的に水、時々コーヒーという感じです。
空腹を感じる場合は、ナッツであればいくら食べてもOKというのがこのルールですが、断食時間中はナッツを含め固形物は全く食べていません。
内臓疲労の調べ方
少し話はそれますが、内臓疲労のセルフチェックについてお伝えします。
まず、内臓疲労に関しては、押してみることです。
動画で解説していますのでご覧下さい。
内臓も平滑筋という筋肉なので、疲労が蓄積すると筋肉が固くなり、虚血状態となり押すと痛みが生じます。
健康な内臓は押しても痛くありません。
痛みがある方は内臓が疲労している一つの指標です。
また、腸機能の低下はおならの臭いや便の形状や色、便の回数で判断することができます。
悪玉菌が多くなっているとおならが異常に臭ったり、下痢または便秘傾向となります。
あと、あまり知られていないのが、1日2回以上の排便も腸機能が低下している証拠となります。
多く出ているから快便ではありません。
便が腸内に残っており、数回に分けてしか排泄できないという体となっています。
実際の効果・結果
16時間断食を始めてから2ヶ月が経ちますが、現在も継続中です。
そして特にやめる理由がないというのが私の結論です。
効果については以下です。
- 頭が常に冴えている・空腹感になれる!
- 体重は変わらない!
- 腸機能は間違いなく改善!
- アンチエイジング効果あり!
- 筋肉量は減らない!
空腹感・頭の冴え
まず、空腹感に関しては3日ほどで慣れました。
本でも1~2週間で慣れ、ナッツの量も減ってくるといわれています。
1つ心配だったことが頭の冴え感です。
朝起きてから糖質の補給をしないため、脳が働かないのでは?とも思いましたが、まったく問題ありませんでした。
むしろ、今までは夕方になると空腹感から集中力を欠くことがありましたが、現在は全くありません。
お腹が減ったと感じても頭は常に冴えているという感覚があります。
ダイエット効果は?
なんと1日2食にしても体重は変わっていません。
カロリーを正確に計っているわけではありませんが、摂取カロリーは明らかに少なくなっていると思います。
なぜかというと、朝食をとらない+空腹感に慣れるため間食量も減りました。
しかし、体重は変わりません。
筋肉量が落ちた感じもないです。
理由は単に消化吸収力が高まったためと思われます。
また、空腹になれるとファーストフードのような味の濃い食べ物をあまり食べたいと感じなくなったようにも感じます。
腸機能改善効果
これに関してはかなり改善されました。
内臓疲労のセルフチェックで、お腹を押すと常に何処かが痛いという状態が続いていましたが、今は全くその症状はありません。
便も1日1回、下痢をすることもない状態です。
内臓疲労が軽減したことにより、ストレッチをしなくとも身体が硬くなりにくくなりました。(内臓疲労と体の硬さについては長くなるのでここでは触れません)
そして、繰り返しになりますが食べる量が減っているのに痩せていない。
つまり消化吸収能力が向上しているということを実感しています。
アンチエイジング効果
ここ数年肌荒れに悩んでいましたが、かなり改善しています。
グルテンフリーなど試した経験がありますが、16時間断食の方が圧倒的に改善しています。
免疫機能については調べようがないので不明です。。。
しかし、腸機能が良くなっているということは効果は絶対にあると思います。
筋肉量は減る?
ここに関しては、始める前に最も心配な部分でした。
しかし、体重も変わらず、筋肉量が減ったという感じも、筋力が落ちたということもありません。
ただし、週に2回程度の筋トレは続けていました。
研究論文でも体脂肪は減ったが、筋肉量は落ちなかったというデータも出ております。
オートファジーによるタンパク質新生の効果によるものかもしれません。
どの様な人におすすめか
- 腸内環境を整えたい方
- ダイエットをしたい方
- 生活習慣病を予防したい方
- 健康で元気な生活を送りたい方
- 仕事やスポーツパフォーマンスを高めたい方
などなど、正直かなり多くの人に適応だと思います。
しかし、注意点もあります。
注意点
ダイエット目的の方
16時間断食では、時間を守れば基本的に何でも食べてよいとされていますが、摂取カロリー多くなれば当然ながら痩せません。
確かに、エネルギー源は糖質から脂質に変わると思います。
しかし、その消費する脂質量に対し、摂取量が増えればプラスマイナスゼロです。むしろ太る場合もあるでしょう。
そもそもダイエットは副次効果であり、メインは腸内環境を整えることです。
私のように消化吸収率が高まれば食べる量が減ったのに痩せないというこのにもなります。
16時間間隔を空ける+食べ過ぎない+運動との組み合わせをおすすめします。
また、ファーストフードなど味の濃い食べ物を食べたくなることは、本当に減るのですぐに効果が出るというより、その食生活に慣れ徐々に体重減少に繋がっていくという形でしょう。
はじめから無理せずに徐々に慣らしていくことがポイントだと思います。
すでに病気の方
生活習慣病の予防効果としては、高い結果を出していますが、すでに病気で治療を受けている方は要注意です。
特に糖尿病や心疾患など治療を受けている方。
薬が効き過ぎ低血糖で倒れるという危険性もあります。
すでに病気をお持ちの方は、安易に手を出さないよう注意して下さい。
学生
そもそも成長期であればわざわざ食べる量を減らす必要はありません。
内臓機能も衰えていないので、多少食べ過ぎた生活をしていてもしっかりと消化吸収する能力はあると思います。
スポーツトレーナーとして中・高生に多く関わっていますが、内臓疲労を抱えている選手にはほとんど会いません。
また、部活動をしている方は、エネルギー不足の方が多いため間食を含めしっかりと食事を取りましょう。
スポーツ選手
ここに関しては難しいところです。
運動量が多いため、食べ物を沢山たべることも必要です。
しかし、内臓疲労が溜まっているとパフォーマンスが低下するのは事実であり、1日4食や5食食べることはすでに、否定されてきています。
内臓疲労によるパフォーマンス低下を自覚している場合は、オフシーズンに行ってみるのも一つと思います。
サッカーの小野選手は1日1食というのが有名な話です。
1日3食や16時間にもこだわらず、自分にあった食事方法をみつけることが大切です。
まとめ
今回は私の経験もふまえ、16時間断食について紹介しました。
人それぞれで目的は異なると思いますが、多くの効果があるのでやってみる価値はあると思います。
合わなければ元の食生活に戻せばいいだけし、お金や時間がかかるものでもありません。
現代人は明らかに食事を多く取りすぎています。
それに対応できる内臓機能や運動量があれば問題ありませんが、肥満を始め食べ過ぎによる病気が多いことも事実です。
ランニングや筋トレ、ストレッチなどで体を外側から改善するだけでなく、内側からのアプローチがあるともっと効果的です。
最後までお読みいただきありがとうございました。