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マラソンでベストタイムを出すために必要なトレーニングの考え方とフォーム改善

マラソンでベストタイムを出すために必要なトレーニングの考え方とフォーム改善

マラソン初心者の方も、サブ3を目指している方もマラソンを行うにあたって絶対に必要なことがあります。

結論からいうとそれは、トレーニングです。

しかし、ランナーのほとんどの方の練習は走ることだけではないでしょうか。

今回は、日本陸上競技連盟のトレーナーとしてマラソンでベストタイムを出すために必要なトレーニングの考え方についてお伝えしたいと思います。

目次

 走る練習だけでは不十分?

まず、走ることで得られる能力は

心肺機能の向上と筋持久力の向上が主になります。

あとは、追い込むことでの気合と根性がつくことでしょうか。

しかし、マラソンに必要な能力というのはそれだけではないということは誰もがわかっていることでしょう。

走ることで確かに心肺機能は高まりますが、その心肺機能の向上にも限界があります。

初心者の方であれば心肺機能に最も大きな伸びしろがあるのかもしれません。

しかし、サブ3を目指していて、練習を積み重ねている人であれば、その伸びしろが大きいとは言えないのが事実です。

また、走る練習ばかりをしている人は

単に体が走ることに慣れただけです。

決して走り方が良くなったわけでも、運動効率が良くなったわけでもありません

あなたの走り方で、同じ運動パターンで走ることに慣れただけです。

そのまま走る練習を続けていても、その日の気候や体調の変化と根性によるタイム変化しか生まれにくいでしょう。

筋持久力についても同じです。

あなたの走り方に必要な筋持久力は向上するかもしれません。

しかし、それがマラソンに適した筋持久力なのかは、また別の問題です。

特に、ランニングが原因でケガの経験がある方は間違った身体の使い方(走り方)のため、身体の一部に負担が蓄積しケガに至った可能性が非常に高いと言えます。

そのため、練習量を増やすと再発に繋がる可能性もあります。

そうならないためにも、走る練習だけは不十分なのです。

マラソンに適した運動効率の良い走り方をみにつけていくことやマラソンに必要な能力を高めていくトレーニングが必要となるのです。

 マラソンに必要な能力

では、マラソンに必要な能力とはどういったものになるのでしょう。

マラソンに必要な能力を大まかに分けると以下の能力が必要となります。

  • 心肺機能
  • 体軸の安定性
  • 身体の連動性
  • ブレーキ筋とアクセル筋の使い分け
  • 呼吸機能
  • 重心操作
  • コンディショニング調整 
  • 栄養管理 etc

全てではありませんが、これらの能力が必要となります。

特に、良いランニングフォームを身に付けるためには

『体軸の安定性』・『身体の連動性』・『ブレーキ筋とアクセル筋の使い分け』

といった能力を高めていく必要があります。

 間違ったフォーム改善

ランニングフォームの改善においてよくある間違った指導や練習方法があります。

それは、良いランニングフォームを真似て

「脇を締めて腕を振りましょう」、「骨盤は立てましょう」、「胸を張って肩甲骨は閉じましょう」といった

ランニングフォームの形だけを意識的に真似る指導や練習方法です。

これはランニングに限った話ではありません。

他のスポーツも同じことが言えます。

例えば

野球の大谷選手のピッチングフォームを完璧に真似ても同じコントロール、同じスピードはでません。

同じ体型、同じ筋力の人が真似てもです。

なぜかというと、フォームの形は同じでも、使っている筋肉や力の伝達、力源、筋出力のタイミングなどが全く違うからです。

ランニングでも「脇を締めて腕を振りましょう」と指導されても、大半の人が脇を閉じて腕を振ります。

脇を「閉じる」ことと「締める」ことは全く違います。

そもそも脇を締めるとは何なのか。

それが機能解剖学的にわかっている人が指導者にも非常に少ないというのが現状です。

だから、ただ「脇を締めましょう」ではなく

脇を締めるトレーニングを行い

脇を締めることができ

どういった効果を生むのか自身で理解し

さらに、それをランニングに応用し腕と身体が連動する感覚を得ることが必要となります。

ちなみに、脇を締めるときに使う筋肉は肩のインナーマッスルと前鋸筋という筋肉です(画像)。

姿勢【巻き肩③】
前鋸筋

では、この肩甲骨と体幹を繋ぐ前鋸筋という筋肉に力を入れて見て下さい。

多くの方ができないと思います。

なぜかというと、普段こんなところを意識しないし力も入れないからです。

だから、「脇を締めて腕を振る」という動作一つとっても、具体的なイメージがわかずトレーニングが必要になるのです。

トレーニングを行えば誰でも、この前鋸筋が使えるようになり脇を締めることができるようになります。

そして、その効果は

体幹と肩甲骨が繋がることで、『腕の振りが体幹に』『脚からの力が体幹を通して腕に』といった双方向での連動性や力の伝達能力が向上し、運動効率が高まります。

そして、その結果ランニングフォームが改善されるのです。

 真のランニングフォームの改善

ここまで、読んで頂いた方であれば、ランニングフォームの改善とは何かがわかるはずです。

ランニングフォームの改善というのは、腕の振りや骨盤、脚の出し方などを意識的に真似をして変えるものではありません。

トレーニングを通して、身体の使い方が変わった結果

運動パターンに変化が起こり(走り方の癖が改善し)、結果的にランニングフォームが改善していくのです。

ランニングフォームというのはその人の身体の使い方の結果になるのです。

腕の振りだけではありません

  • どうしたら背骨を使って全身に力が伝わるのか
  • なぜ体が重い感じがするのか
  • なぜ軽やかに前にすすめないのか
  • 無駄な力を抜くためにはどうすればよいのか
  • なぜ肩が挙がってしまうのか
  • どうしたら腰が力ませずに前傾を保てるのか

これらは一部ですが、意識して変えるものではありません。

それがあなたの運動パターン(癖)なのです。

その運動パターンを変えるためには、トレーニングで身体の使い方を変え、ランニング時の運動パターンを変えていく必要があるのです。

この記事を読んだ方が少しでも走る練習だけではなく、トレーニングにも目を向けていただければと思います。

最後に、このようなマラソン特化型のトレーニング指導を必要としている方

パーソナルでも、グループトレーニングでも指導を行っております。

ご興味がある方、下記フォームまたは電話より是非ご連絡下さい。