マラソンに効果的な体軸を安定性させる体幹トレーニングメニュー 3選
ランナーの皆さん、熊本城マラソンに向けてのトレーニングは順調でしょうか。
以前マラソンでベストタイムを出すために必要なトレーニングの考え方とフォーム改善
という内容でブログを書きました。
今回はその際、フォーム改善に必要な要素の1つに挙げた「体軸の安定性」についての内容になります。
では、さっそく内容に入りたいと思います。
目次
体軸を安定させる体幹
体幹という言葉は、スポーツをしていない人でも使う一般的な言葉となりました。
では、体軸とは何でしょうか?
体軸とは、いわいる「身体の軸」のことであり、別の表現として「センター」と言われる場合もあります。
この軸というのは、物理的に存在しているものではなく、身体意識として捉えられるものになります。
よく野球やフィギュアスケートなどで「あの選手の軸はブレない」とか「センターが通ったいい姿勢」など抽象的な表現として扱われます。
抽象的なものではありますが、この軸という概念はスポーツを行う上で非常に重要であり、身体意識の一つとして選手は必ず身につけておくべき能力です。
そして、この体軸と深く関わりがあるのが体幹です(体軸=体幹ではありません)。
例えば、体幹が安定せずふにゃふにゃと歩いている人に軸と呼べるものはないでしょう。
逆に体幹が強く、姿勢が良い人には目には見えなくともその立ち姿に軸を感じるものです。
つまり、自身の軸を意識しながら体幹を鍛えていくことでも体軸は形成され、傍から見ても軸が通っている選手のように感じられます。
しかし、ここで注意しなければいけないことが、体幹がいくら強くともガチガチに固められた体幹では、立ち姿勢は綺麗に見えても、ランナーとして走ったときに「綺麗で躍動感のある走りができるか」というのは別物です。
単に、体幹をガチガチに固めるトレーニングをしておけば体軸の安定した走りができるといったものではないということです。
体軸には固める強さだけではなく、靭やかさも含まれるからです。
なぜマラソンに体軸が必要か
マラソン競技では、一見体幹が安定しているように見えますが、2本の脚で走っている以上必ず体幹、特に骨盤は左右上下にブレています。
必ずブレるものに対し、完全に固定するという考えの方が無理があります。
確かにブレブレの体幹よりは安定性を優先する方が良いのは事実です。。
しかし、それが過度になってもパフォーマンスは低下するということを知っておく必要があります。
例えば、体幹トレーニングの1つにサイドブリッチで中殿筋を鍛えるエクササイズがあります。
このトレーニングは走っている際の片脚接地時に骨盤が遊脚側(浮いている側)に傾くことを防ぐ狙いがあり、体幹を安定させることに繋がります。
しかし、トップランナーの走りを見ると遊脚側の骨盤は下がっている(傾いている)のです。
それにも関わらず、体幹は安定してることがとにかく良いという考えが広まり、過度に鍛えてる選手が多くいます。
ちなみにこの中殿筋という筋肉はブレーキ筋として作用しており、過度に働かせるべきでないことも知られています。
そのため、私は体幹ではなく体軸という身体意識の方が重要だと捉えています。
(体幹トレーニングをしないわけではないです。体軸と体幹は深い関係があります)
もう一度、上記の画像を見てください。
ここで注目すべきは、骨盤は傾いているのに肩の高さは左右でほぼ同じということです。
これが、体軸の作用です。
運動学的には体幹の立ち直りと呼ばれるものです。
このとき骨盤の傾きに対し背骨が適度に側屈することで、上部体幹は平行を保っています。
この反応は体軸の身体意識が強い選手ほど出現し、疲労が溜まってくるレース終盤でも安定して上部体幹を平行に保ちます。
これは体幹の固める強さではなくむしろ、靭やかさの方が重要となり、身体意識があるからこそ、立ち直りが勝手に生まれてくるのです。
体軸を鍛えるトレーニング
それでは体軸を鍛えるためのトレーニングを3つ紹介します。
プランク ショルダータッチ
抗回旋トレーニングといって体幹を固めることで軸を作るトレーニングになります。
背骨はまっすぐで、骨盤を平行に保つことがポイントです。
インナースクワット
これは立位で体軸を通すためのトレーニングです。
左右前後へ軸をブラすことなくフルスクワットする能力が求められます。
姿勢改善や股関節適合性、脚力強化など他にもメリットがあります。
シングルレッグ ペルビックコントロール
片脚立ちで骨盤をコントロールするトレーニングになります。
中殿筋を走っている時同様遠心性収縮させ、骨盤をコントロールします。
この時、体幹の立ち直り反応により肩が平行なことがポイントです。
体軸を走りに活かすには
今回は、体軸を作るためのトレーニングを紹介しました。
どれも重要となるトレーニングであり、私が指導している選手には必ず教えています。
しかし、これだけでは走っている時に必ず体軸が作られるとはいえませんし、それぞれの選手の癖に合わせたトレーニングを選択していく必要があります。
運動神経がよく、いわいるセンスがある人はこれだけでも感覚を掴めるのかもしれませんが、筋力だけではなく腹圧をコントロールする能力なども必要になります。
また、体軸は前額面(前から見た姿)だけでなく、矢状面(横から見た姿)から見ても軸が通っている必要があります。
今回は紹介しませんでしたが、マラソンでは体軸が通って前傾姿勢を保持できることが重要であり、股関節の使い方なども学ぶ必要があります。
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